労働組合は組合員の応援団
私たちは、会社に入社して従業員となるわけですが、同時に会社に雇用されている者で組織している労働組合に加入(ユニオン・ショップ協定)して、その組合員にもなっているわけです。
これは、会社と労働組合で取り決めを行い(労働協定)「会社の従業員は、組合に加入しなければならない」と定めているからです。
従って、組合に加入しない人、あるいは、組合から除名された人は解雇されることも忘れてはなりません。
では、なぜ、労働組合に加入しなければならないのか考えて見ましょう。
皆さんの共通の願いをどうしたら実現できるか、真剣に考えて作った組織が労働組合です。
つまり、労働組合の基本的な任務は、企業内労働諸条件、社会的生活条件の向上を図ることにあるのです。
会社に雇われていても労働組合がない場合、労働条件の改善も対等の立場で話し合うこともなく、経営者の一方的な判断で決められてしまいます。
そこで、従業員が団結し労働組合を結成することによって、会社と対等の立場で話し合い、労働条件の向上、社会的地位の向上を図ることができるのです。
現在、わが国憲法でも労働組合を結成する権利、すなわち、団結権を保障しています。このことは、勤労者の生活、経済・社会的地位を労働組合を通じて自主的に向上させることが、現在社会の発展にとって必要不可欠であると考えているからにほかなりません。
わが国においても諸外国でも労働組合の役割や機能は、次第に変化を見せていることを忘れてはなりません。
労働組合は、組合員の経済・社会的地位の向上のために、経営者と対等な立場で労働諸条件の向上等について話し合い、組合員の生活の維持・向上、いわゆる、ゆとりある豊かな生活の実現を追及してきました。
しかし、これからの労働組合は、経営者との交渉による労働条件の向上に止まらず、国民的立場で「公正・公平な社会づくり」と人生80年時代に向けて「ゆとりと豊かさを実感できる生涯生活」の実現をめざして運動を進めていかなければなりません。
一方、わが国の労働組合は、経営権の中に足を踏み入れることを最初から意識的に避けてきた事実があります。しかしながら、現在のように労働組合が次第に勢力を強め組織力が強化され、労働組合の一挙手一投足が社会生活全体に無視できないほど影響を及ぼすにつれて、単に経営の外の存在として自由に活動していれば良いだけのものとは考えにくくなってきています。
それは、労働条件の問題に関する限り、経営側と労働組合との交渉によって解決できますが、政治的にも強い立場を築き上げてきた結果、インフレ、物価、福祉というような国民経済全体の基本に関わる政策・制度の諸課題に対しては、その解決を組合員のみならず市民からも期待されてきているだけに、労働組合としての所見を明示しながら、その取り組みを強力に推進していくことが大切なのです。
組合内部において、組合員がどの様な権利を有しているかについては、規約に具体的に定められています。ちなみに、法律(労働組合法)では、次のようなことを定めておかなければならないと規定しています。
組合員として果たすべき義務も規約に定められています。具体的には、
なお、組合員がこれらの義務を果たさないと一定期間内での権利停止、除名など(統制処分)の処分を受けることがあります。特に、ユニオン・ショップ協定がある場合、組合から除名処分を受けると使用者である会社から解雇されることになります。